学びを後押しするために効果的な問いとは

では、学びを後押しするために効果的な問いとはどんな問いでしょうか?

先ほどの3つの問いを例に考えてみましょう。

▼今日(もしくは昨日)、あなたはどんな行動をしましたか?

▼その結果もしくはそのプロセスで、どんなことを感じましたか?

▼その体験から、どんな学びがありましたか?

一番最後の問いは「どんな学びがありましたか?」と聞いているので分かりやすいですね。

自分で言葉にすることで、「体験」だったものは「学び」として存在が明らかになります。

しかし、「自分が学んだこと」について考えることに慣れていない場合、この問いを聞いたときに、「自分がやったこと」を答えるということがよく起こります。

それは最初の質問「どんな行動をしましたか」についての答えでもあります。

「行動」について聞くことは、相手に「関心を持っていることを伝える」プロセスにもなるため、決して意味がないわけではありません。

ただし、学びの後押しとしては不十分です。

なぜなら、学びとは自分自身の内側で創り出していくものだからです。 (「学びとは何か」についてもまたきっと色々な考え方があるかと思いますが、私は今はそんな風に理解しています。)

自分の外側に起こったことではなく、自分の内側に起こったことに目を向ける。

そのプロセスとして、「どんなことを感じた?」というワンクッションを置くことで、さらにその先の「学び」についてもアンテナが向きやすくなります。

質問は ▼今日はどんなことをした? ▼やってみてどうだった? ▼どんな発見があった?

というような簡単な聞き方でも構いません。

さらに ▼どんな工夫をした? ▼次はどうしたい? ▼(上手くいかなかったことなら)もう一回やるならどうしたい?

などと聞いていくことで、学びをさらに今後の行動につなげていくこともできます。

*ただしこれは、小さな子どもをはじめ、大人にも必ずしもあてはまるわけではありません。無理に言葉にしないことで、体験がゆっくりと学びに変わっていくということもあります。

「行動を後押しする関わり」と「学びを後押しする質問」を見てきたところで、いよいよ、一日の始まりと終わりの具体的な対話について考えてみましょう。

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